猫背の人には、腕立てよりも効率のよい運動があります


猫背は胸の形に悪い影響を及ぼします。それでバストアップのために、腕立て伏せや、祈りのポーズで両手を押すような運動をしている人もいるかもしれません。

しかし原因が猫背である場合、努力も水泡に帰してしまいます。猫背は、バストダウンを引き起こすからです。

猫背で肩が前に入る状態が続くと、背中の大きな筋肉(広背筋)の線維が短く硬くなり、胸を張った姿勢ができなくなります。

これを改善するには、腕立ては効率的ではありません。背中からほぐす運動をして、胸が張れるようになることが第一です。

それと同時に同じように硬直しているであろう胸の辺りの筋肉も、動けるようにしてあげましょう。つまり背中と一緒に見てあげることが必要です。

背中の大きい広背筋は、骨盤の中央にある仙骨の辺りから、両腕の付け根の辺りまで、逆三角形の形をして、プールで巻くタオルのように内臓と骨を守っています。

広背筋をほぐす運動には、両腕の付け根や、骨盤まで動かす運動を選ぶことが重要なのです。

腕立てで作用が及ぶ筋肉は一般的に、上腕三頭筋・大胸筋・腹横筋・脊柱起立筋・上腕二頭筋、といわれます。

バストアップのために腕立てを行うのは、それほど効率的ではなさそうです。

筋力アップの前に、筋膜を平らに

広背筋と胸の辺りの筋肉をほぐしていくためには、どのような運動をしていけばいいのでしょうか。

猫背で筋肉が固まっている場合には、筋肉を保護する「筋膜」が、よれて所々に固まりができ、筋膜全体としてみても、引き攣れてまるで固まったようになっているといわれます。

筋膜とは、料理のときによく見る、鶏肉のまわりについている透明な膜、あれと同じもので、コラーゲン線維とエラスチン線維からできており、筋肉のハンモック、あるいは革のベルトのような役割を担っています。

この筋膜は、体に加わった緊張をコントロールしているのですが、悪い姿勢や偏った動作を続けていると、不必要な負担が加わって姿勢が非対称になり、筋膜が自由に動けなくなり、だんだんよじれていくのです。

筋膜がよじれると、筋肉だけでなく、血管や神経までも影響を受け、関節に問題がない場合でも関節周囲に痛みを感じることも多くなります。

全身のどこかの筋膜に機能異常が起こると、その異常事態をほかの部分でかばおうとして、5種類の筋膜が連携し、広い範囲へと少しずつ異常が波及します。

特に正常に戻るきっかけがなければ、悪い姿勢などで、少しだった異常はひどくなる一方で、人間本来の正しい動作が制限されることになるのです。

猫背も、本当に、よくありません。

まず初めに筋膜を伸ばすことは、筋肉をつくる前、また、つくることと同時に、少しずつやっていくことが大切です。

筋膜を伸ばす運動を行うと、体幹から四肢や頭部への付け根を刺激することも多くなり、すると同時に、より内側のリンパの流れをよくすることにもつながります。

そのような筋膜を伸ばす運動をしてから筋肉をつくれば、脊椎や肩・骨盤がゆがみにくくなり、理想の姿勢に近づいて体にムダな力が掛からず、体がラクになります。

すると肝心のバストアップをしたときにも、する前の状態に戻りにくくなるでしょう。

ただし筋膜を伸ばす運動は手術の縫合部や、開放創・骨折部位・動脈瘤などがある場合には危険ですので絶対にやってはいけません。

また何らかの感染、免疫が関わる関節リウマチ、悪性腫瘍などが体にある場合には、必ず、医師に相談して下さい。

腕を動かすのは、よいことです――大・小胸筋や広背筋の運動


腕立てが、バストアップのためにはそれほど効率的ではなさそうとはいえ、胸がきちんと張れるようになるために、腕立てに似た四つん這い姿勢からの運動は、バストアップに関係します。

四つん這いの姿勢から、お尻をかかとにつけていく、猫の伸びのような運動は、胸の前側の大胸筋や小胸筋をストレッチングして、丸まった胸椎を伸ばすのに効果があります。

この運動のポイントは、お尻をかかとにつけるとき、腰は丸めながらも、胸は反らすようにすることです。

筋肉の端っこは「腱」ですが、腱は、筋膜が形を変えたものですので、腱からのつながりも意識してゆっくり動かしてみましょう。

かかとがお尻についたら、30~60秒間ストレッチングをしてから姿勢を四つん這いに戻します。

15秒の休みを挟んで、3回行うとよいようです。

四つん這いから、前腕(肘より指先側)を、手のひらがこちらを向くように床につけるストレッチングもよいでしょう。

やはり猫の伸びのようにお尻をかかとに近づけていくのですが、腰を丸めながら胸を反らす、この運動は、広背筋のストレッチングに最適です。

猫背の修正に――脊柱起立筋の運動

猫背の修正によい運動は、ほかにもあります。次に背中の胸椎の脊柱起立筋を鍛える運動をしてみましょう。

まずバスタオルを筒状に丸めて床に置き、その上に仰向けに寝転んで、タオルが丸まった背中(胸椎)の下に来るようにします。

膝を曲げて立てておきます。

寝転んだまま、腕の重みを利用するようにしてバンザイの姿勢を取りながら30~60秒間ストレッチングしてみて下さい。

ポイントは、ストレッチングをしている間、腹筋に力を軽く入れて腰が浮き上がらないようにすることです。

顎も引いておきましょう。

四つん這いの運動と同様にこちらも、15秒の休みを挟んで、3回行うとよいようです。

実は、「正しい姿勢」で座るとき、筋肉を使います


パソコン作業を続けていると、できるだけ筋力を使わずに済まそうとして、たとえば猫背になります。

座った姿勢を直立にしたままにするためには、脊柱起立筋(群)だけでなく、腹筋(群)や足の筋(群)の活動が必要になります。

正しい姿勢であればラクである、とはいわれますが、理想的な座りのためには、脊柱起立筋・腹直筋・腸腰筋・ハムストリングス・僧帽筋上部線維・広頸筋・後頭下筋群、それに車軸点といった、筋肉や筋肉が合わさる箇所が関わっています。

人はラクな姿勢を求めて、抗重力筋をあまり使わず、重心を、体を支えるお尻と足の中央に持ってこようとして猫背になります。姿勢が悪くなると筋肉のバランスが悪くなり、柔軟性も、筋力も低下し、痛みも出るようになります。

ゆえに猫背になり、頭が体の前に出て、顎も前に出るようになると、ストレートネックになることもあります。筋肉には、最大に短縮/伸張する長さがあり、その広さが大切です。

さきほど挙げた筋肉を鍛えてその幅を大きくし、座り姿勢をよくし、なってしまったストレートネックなら、運動で改善しましょう。タオルの両端を左右の手で持ち、タオルを首の後ろに回します。

首をタオルで支え、胸を張りながら、頭を後ろに倒してみましょう。ゆっくり、5~10回行ってみましょう。

本命のバストアップの運動です

それらを行った上で、今度は、バストアップのための運動をしてみましょう。

① 座ったまま、両手のひらを上に向けて腕を伸ばし、両手の小指をつけます。

② そのまま肘を直角に上に曲げ、両肘もつけ、10秒そのままにします。(エラスチン線維のリリース)

③ その形のまま、両腕を上方に動かして、肘が離れそうになったら止めて20秒そのままにします。(コラーゲン線維のリリース)

これを3回繰り返します。

慣れれば、気持ちがよい穏やかな範囲で③を3分まで、最大5分まで時間を増やしてもよいということですが、ムリはしないようにしましょう。

バストアップに加え、背中に脂肪がつきにくくなるといいます。

次に立ってみましょう。

① 両手をお尻片方ずつにつけます。

② そのまま胸を張るようにしながら、両肩を後ろに回す感じにして20秒。(エラスチン線維のリリース)

③ 両手をお尻の下方に動かして、肩甲骨を引き上げるようにし、20秒そのままにします。(コラーゲン線維のリリース)

これも3回繰り返します。

こちらも、慣れれば、気持ちがよい穏やかな範囲で③を3分(最大5分まで)時間を増やしてよいということですが、やはりムリはしないようにしましょう。

姿勢がよくなり、バストアップに向かいます。

やってみると気持ちがよいので、自然に毎日するようになると思いますが、1日3回、8時間おきにできれば最高でしょう。

2週間続けただけで、自分の体を軽く感じるだけでなく、周囲からも歩く姿が美人だなどといわれるかもしれません。

(まとめ)猫背の人のバストアップに腕立てはいいですか?

1. 猫背の人には、腕立てよりも効率のよい運動があります

猫背は、バストダウンを引き起こします。これを改善するには、腕立ては効率的ではありません。

背中からほぐし、胸を張ることができるようになることが第一です。広背筋をほぐす運動には、両腕の付け根や、骨盤まで動かす運動を選ぶことが重要です。

2. 筋力アップの前に、筋膜を平らに

筋膜は、筋肉の周囲の膜で、筋肉のハンモックかベルトのような役割を担っています。筋膜がよじれると、筋肉だけでなく血管や神経、関節までも影響を受けます。

筋膜を伸ばす運動を行うと、内側のリンパの流れをよくすることにもつながり、バストアップをしたときにも戻りにくくなるでしょう。

3. 腕を動かすのは、よいことです――大・小胸筋や広背筋の運動

腕立てに似た四つん這い姿勢からの運動は、筋膜を平らにでき、バストアップによい影響があります。

筋肉の端っこは「腱」ですが、腱は、筋膜が形を変えたものですから、腱からのつながりも意識してゆっくり運動してみましょう。

四つん這いの姿勢から、お尻を下げてかかとにつけていき、猫の伸びのように30~60秒間ストレッチングします。

4. 猫背の修正に――脊柱起立筋の運動

猫背の修正に、背中の胸椎辺りの筋膜を平らにし脊柱起立筋を鍛える運動をしてみましょう。バスタオルを筒状に置き、仰向けに寝転んでタオルが背中(胸椎)の下に来るようにします。

膝は曲げて立てておきます。寝転んだまま、バンザイの姿勢をして30~60秒間ストレッチングします。

5. 実は、「正しい姿勢」で座るとき、筋肉を使います

正しい姿勢であればラクであるといわれますが、実は理想的な座りのためには、脊柱起立筋(群)だけでなく、腹筋(群)や足の筋(群)の活動が必要です。

ところが人は、ラクな姿勢を求めて、重心をお尻と足の中央に持ってこようとして猫背になります。

パソコン作業では、猫背になり頭や顎が前に出て、ストレートネックになることもあります。ストレートネックを修正する運動もあります。

6. 本命のバストアップの運動です

まず座って行います:

① 両手のひらを上に向けて腕を伸ばし、両手の小指をつける
② そのまま肘を直角に上に曲げ、両肘もつけ、10秒そのままに
③ その形のまま、両腕を上方に動かして、肘が離れそうになったら止めて20秒

これを3回繰り返します。

次に立って行います:

① 両手をお尻片方ずつにつける
② そのまま胸を張るようにしながら、両肩を後ろに回し20秒
③ 両手をお尻の下方に動かし、肩甲骨を引き上げるように、そのまま20秒

これも3回繰り返します。