移動できませんが、良質な脂肪をバストに集めることは可能


女性なら誰でもメリハリのある美しいボディラインに憧れるものです。なかには「お腹についた脂肪をバストに移動できればバストアップになるのでは」と思う方もいるでしょう。

はたして、それは実現できるのでしょうか。そもそもバストは思春期に形成されるものです。

太ってできたお腹の脂肪とは違い、脂肪を移動させることはできません。それでも良質な脂肪をバストに集めれば、ふんわりときれいなバストになります。

そのためには、まずは、栄養バランスのよい食事をすることです。また良質な脂肪は、血液やリンパの流れがよいところに集まるという特徴があります。

血液やリンパの流れを悪くするような「衣類による締め付け」「不規則な生活」「運動不足」などを解消しましょう。毎日忙しい方は、自宅にいるときだけでもバストの存在を意識してみてください。

最近では、締め付けがないノンワイヤーのブラジャーやナイトブラもあります。自宅にいるときやリラックスしたいときに、使用するとよいでしょう。

そのほか、血行を良くするために、バスタイムはシャワーではなく、しっかり湯船につかることも大切です。生活習慣や自宅での過ごし方を見直して、良質な脂肪を手に入れバストアップにつなげましょう。

バストの約9割を占める脂肪には、さまざまな働きがあります

バストには、どのくらいの脂肪があるのかご存じでしょうか。実は、バスト全体の約9割が脂肪組織だといわれています。

女性は、思春期になると女性ホルモンの影響を受け、脂肪がつきやすい体になります。

〔思春期とバスト〕

思春期とは、小学生でいうと高学年くらいの時期です。この頃になると、男女ともに体も心も大きな変化を迎えます。

女性の場合、初経前後になるとバストが張ったり痛みを感じたりすることがあります。これは、女性ホルモンのエストロゲンの働きによるものです。

エストロゲンは、乳腺に働きかけ、バストを成長させていきます。そして乳腺を守るために脂肪組織が蓄積されていき、徐々に胸がふくらみ乳房をつくりあげるのです。

〔脂肪の働き〕

・体を動かすエネルギー源になる
・エネルギー源として使われず余っても、中性脂肪という形になってたくわえられる
・たくわえられた中性脂肪は、運動時や空腹時などエネルギーが不足したときにエネルギー源となる
・「細胞膜」「臓器」「神経」などをつくる
・「ビタミン」「ホルモン」の働きをスムーズにする
・体温を維持する
・皮膚にうるおいを与える

脂肪はバストを形成するだけではありません。

脂肪は、皮下脂肪・内臓脂肪、さらに骨の中にある骨髄脂肪など全身のあらゆるところに存在して、体を守るためにさまざまな働きをしています。

バストには脂肪以外に乳腺などがあります


ではバストは脂肪以外には何があるのでしょうか。

バストとは、胸のふくらんだ部分で乳房ともいいます。バストの中は、乳汁をつくるための「乳腺」や乳腺同士をつなぐための「乳管」などがあります。

バストは見た目ばかりを気にする風潮がありますが、本来の働きや構造をしっかり理解することが大切です。

〔バスト(乳房)の構造〕

自分の体に向き合うために、まずはバストの構造をしっかり理解しましょう。

乳腺
・汗腺が変化したものといわれている
・乳頭を中心に放射線状に広がる
・思春期になると発達する

小葉(しょうよう)
・乳腺の先にあり、ぶどうの房のような形をしている
・授乳期になると小葉で乳汁をつくる

乳管
・乳汁が通る管
・乳腺や小葉をつなげる

乳管洞(にゅうかんどう)
・乳管の途中にある部分
・小葉でつくられた乳汁が、乳管を通って乳管洞にたまる

大胸筋
・バストの土台となる筋肉
・大胸筋の上に乳房が乗る

脂肪組織
・乳腺を保護する
・クッションとして働く

クーパー靭帯(くーぱーじんたい)
・主成分はコラーゲン
・網状に隙間を埋めるように存在している
・乳腺組織や脂肪組織を支えている

〔個性があるバスト〕

・乳房の平均直径は10㎝から15㎝といわれている
・左右で大きさが違う
・心臓がある左側が大きい傾向がある
・脂肪の量には個人差がある
・乳頭や乳輪の色は、メラニン色素の影響を受ける
・生理前になると胸が張る

バストの周辺には、神経・血管・リンパ管などがあります

バストの構造がわかったところで、今度はそのまわりを見ていきましょう。バストがある胸部は、心臓や肺など大切な臓器があります。

それらの臓器を正常に動かすためには、新鮮な酸素が必要で、バストのまわりには「神経」「毛細血管」「リンパ管」といった器官が集中しているのです。

とくに首、鎖骨の下、わきの下にはリンパ管が集まる「リンパ節」が集中しています。リンパ節は、汚れをろ過する下水処理場のような存在です。

たとえば風邪を引いたとき首やわきの下が腫れて痛くなることがありますが、これがまさにリンパ節です。風邪などで体に入ってきた病原体は、リンパ管を通ってリンパ節へ運ばれます。

すると病原体はリンパ節でリンパ球の攻撃を受け、健康を維持しようとするのです。

〔バストのまわりの器官〕

神経
・電気信号で情報を受けとったり送ったりしている体のネットワーク
・神経は、神経繊維という細い糸を体中に広げている

毛細血管
・動脈と静脈を結ぶもっとも細い血液を通す管
・細胞から二酸化炭素や不要物を受けとり、静脈を通って心臓へ運ぶ

リンパ管
・リンパ液(毛細血管からしみ出た血液の一種)が通る管
・細胞周辺に残された水分を回収して、体内の水分調整をする
・毛細血管では通れない老廃物を回収して、静脈へ送る
・病原体から体を守る免疫細胞のリンパ球も存在する

リンパ節
・リンパ管の途中にある小さなふくろ
・病原体などを除去するフィルターのような働きがある
・頭や首からのリンパ管が通る、リンパ節が首のつけ根にある
・腕や胸からのリンパ管が通る、リンパ節がわきの下にある

リンパの流れはゆっくりで、不要な脂肪もリンパ管を通ります


リンパ管は、毛細血管では通せない大きな物質をよく通し、不要な水分や老廃物なども通しています。実は、不要な脂肪もリンパ管を通っているのです。

そのため「カロリーオーバーの食事」「飲み過ぎ」などが原因で、不要な脂肪や水分などがたまるとリンパ管の流れが滞り、むくみが出てしまうのです。

またリンパ液の流れは非常にゆっくりしています。これは、リンパ液が筋肉の収縮や呼吸などの働きで流れているからです。

〔バスト周辺のリンパの流れが悪くなる原因〕

・冷え症
・スマホやパソコンの使い過ぎで筋肉がこる
・運動不足で呼吸が浅いために筋肉が硬くなる
・もともと胸の筋力が弱い
・サイズの合わないブラジャーをつける
・衣類の締め付けなど

リンパの循環が悪くなると、結果的に老廃物や疲労物質がたまり、バスト周辺が冷えて硬くなります。鎖骨の下からわきの下あたりが硬い方や冷えている方は、要注意です。

リンパの流れが滞っているかもしれません。マッサージや体操などでリンパの流れをスムーズにして、ふわふわと柔らかいバストを育てましょう。

〔簡単!リンパをほぐす方法〕

① 手の平で温まる
鎖骨の下やわきの下は、リンパ節が集まっている場所です。冷えている方は、手の平を当てて温めるようにしましょう。

② マッサージ
鎖骨の下に指を置いてグルグル円を描くようにほぐします。わきの下をつかんで、もみほぐすのもよいでしょう。

お風呂の中でマッサージをするのも効果的です。

③ 腕回し各10回
腕を前にして、円を描くように10回程度回します。肘を曲げずに行うことがポイントです。

前回しが終わったら、後ろ回しも10回程度忘れずに行いましょう。

良質な脂肪を集めるために、嗜好品を控えましょう

スーパーやコンビニで買ってきたお惣菜やお弁当など、食事を簡単に済ませていませんか。外食や偏食、不規則な時間での食事など、乱れた食生活は体の負担となります。

また肉類など動物性タンパク質、スイーツや甘いものなど嗜好品のとり過ぎには、バストにも悪影響を及ぼします。

これらをとり過ぎると、余分な脂肪がお腹だけではなく、脇やアンダーまわりなどついてほしくない場所についてしまいます。そして食事をするときはゆっくり時間をかけて、食べるようにしましょう。

毎日、時間に追われていると急いで食べてしまいがちですが、早食いをすると消化に悪く、太りやすくなります。

私たちの脳は、満腹感を得るためには20分程度の時間がかかるといわれています。早食いをすると、満腹感を得ることができず必要以上に食べてしまうのです。

食事をするときは、姿勢を伸ばして座り、しっかり噛んで食べるようにしましょう。

〔食べ方を見直しましょう〕

・肉が食べたい
脂肪の多い霜降り肉を控えめにして、赤身の肉を選ぶようにする。肉料理をつくるときには、スパイスを使い、消化力をアップさせる。

・生野菜を食べたい
大量に食べると体が冷えるため、ゆでるなどして温めてから食べる。消化不良を起こさないように、遅い時間に食べるのは控える。

・朝食を食べる元気がない
食欲がないときには固形物を控える。お味噌汁やスープなどを食べる。

(まとめ)バストアップのため、お腹の脂肪をバストに移動できますか?

1. 移動できませんが、良質な脂肪をバストに集めることは可能

バストは思春期に形成されるもので、太ってできたお腹の脂肪とは違うため、お腹の脂肪をバストに移動することはできません。しかし血液やリンパの流れをスムーズにして、良質な脂肪をバストに集めるとバストアップになります。

2. バストの約9割を占める脂肪には、さまざまな働きがあります

バストの約9割は脂肪といわれています。そのほか脂肪は、皮下脂肪・内臓脂肪・骨髄脂肪など、全身のあらゆるところに存在しています。

脂肪は、体を動かすエネルギー源となったり体温を維持したり、さまざまな働きをしています。

3. バストには脂肪以外に乳腺などがあります

バストとは、胸のふくらんだ部分で乳房とも呼びます。バストの中には、乳汁をつくるための「乳腺」や乳腺同士をつなぐための「乳管」などがあります。

自分の体に向き合うために、まずはバストの構造をしっかり理解しましょう。

4. バストの周辺には、神経・血管・リンパ管などがあります

バストがある胸部は、心臓や肺など大切な臓器があります。それらの臓器を動かすためには、新鮮な酸素が必要です。

そのためバストのまわりには「神経」「毛細血管」「リンパ管」「リンパ節」といった器官が集中しています。

5. リンパの流れはゆっくりで、不要な脂肪もリンパ管を通ります

リンパ管は、「不要な水分」「不要な脂肪」「老廃物」などを通しています。またリンパ液の流れは非常にゆっくりしています。

「カロリーオーバーの食事」「飲み過ぎ」などが原因で、リンパ管の流れが悪くなることがあります。

6. 良質な脂肪を集めるために、嗜好品を控えましょう

肉類など動物性タンパク質、スイーツや甘いものなどの嗜好品などのとり過ぎには、注意しましょう。これらをとり過ぎると、余分な脂肪がお腹だけではなく、脇やアンダーまわりなどついてほしくない場所についてしまいます。