「エストロゲンは検出できなかった」といわれています


女性の体と心を守る大切なホルモンといえば、プロゲステロンとエストロゲンです。プロゲステロンは、妊娠を助けるホルモンで、子宮内膜を整えたり妊娠を維持したりする働きがあります。

一方のエストロゲンは、女性らしい体を作るホルモンで、脳・子宮・自律神経・骨・皮膚、そしてバストにも働きかけます。

さてこのエストロゲンをめぐって果実のザクロでブームが起きたことがあります。きっかけは、テレビや雑誌などメディアでの紹介でした。

その紹介内容は「ザクロには女性ホルモンのエストロゲンがある」というものでした。テレビや雑誌で「バストアップにおすすめ」「更年期障害の予防によい」と一時期話題になったのです。

その後ザクロを使った果汁飲料、食品、エキス錠剤などのさまざまな商品が登場しました。しかし「ザクロにエストロゲンがある」という事実はありませんでした。

「ザクロの果実や食品からはエストロゲンが検出されなかった」と国民生活センターが公表したからです。それでもザクロには美容や健康など女性に役立つ成分があるといわれています。

その注目の成分は「エラグ酸」と「ビタミンC」です。これらの成分には「紫外線」「加齢」「ストレス」などから発生する活性酸素を除去し、体が酸化するのを防ぐ、抗酸化作用があります。

つまり肌にハリを与え、たるみを予防することにもつながり、バストアップにも役立つというわけです。

ただしザクロだけを食べるのは禁物です。どんな食品も食べ過ぎてしまうと栄養が偏ります。

栄養バランスを考えながら、さまざまな食品と合わせてザクロを食べるようにしましょう。

バストは女性ホルモンによって子宮や卵巣とつながっています

女性は、月に1回排卵し、妊娠できる環境を整えています。妊娠しない場合は、子宮の中にできた内膜が必要なくなり、子宮の壁からはがれて体外へ排出されます。

毎月、毎月、このようなサイクルを起こしているのが、プロゲステロンとエストロゲンという女性ホルモンです。女性ホルモンは、妊娠・出産・授乳ができるように働き、女性の体を守っています。

〔全身に情報を伝えるホルモンの働き〕

私たちの体は、「神経」と「内分泌系」という2つの経路を使って、さまざまな情報を全身へ送っています。一つ目の神経は、刺激を電気信号に変えて、神経から次の神経へとその情報を伝えています。

もうひとつの内分泌系は、内分泌腺からホルモンを分泌して、血液中を流れ全身へと情報を伝えています。この内分泌腺は、甲状腺・副腎・膵臓・精巣・卵巣などにそなわり、その形や大きさはさまざまです。

〔バストの発育に関係する性ホルモン〕

性ホルモンとは、精巣や卵巣から分泌されるホルモンです。性ホルモンは、10歳頃になると活発になり「男性は男性らしい体」に「女性は女性らしい体」に徐々に変化していきます。

女性は、卵巣から分泌される女性ホルモンの影響を受けています。バストも、またこの女性ホルモンのエストロゲンの影響を受けて発育します。

〔女性ホルモンと体の変化〕

排卵後、プロゲステロンが分泌される時期
・体を守るために体温が高くなる
・むくみやすくなる
・食欲が増進する
・眠くなる
・イライラする

月経後から排卵まで、エストロゲンが分泌される時期
・肌の潤いやハリを保つ
・髪をツヤツヤにする
・動脈硬化や骨粗鬆症を防ぐ
・明るい気持ちになる

まずは、女性ホルモンのバランスを意識しましょう


バストに大きく関わる女性ホルモンですが、生活習慣の影響を受けやすいという特徴があります。さらに女性ホルモンの分泌量は年齢とともに減るため、それに伴い不調が起こりやすくなります。

ちょっとしたことで月経痛が酷くなったり、逆に無月経になったり、さまざまな症状があらわれます。日頃の食事や体のケアに気を配り、ホルモンバランスを整えることが重要です。

ホルモンバランスが整えば、全身の体液の流れもスムーズになり、バストに必要な栄養や酸素が集まってきます。

〔女性ホルモンを乱す不都合なライフスタイル〕

・乱れた食生活

「外食」「過食」「早食い」「夜食」といった食習慣は、内臓脂肪を溜めてしまい、ムダな脂肪を溜めることになります。

・不規則な生活

ギリギリまで寝て、遅くまで起きている生活では、疲労感が取れません。せめて、起床時間を一定にしましょう。

・衣服

体を締めつける服は、リンパ液や血液の流れを悪くしてしまいバストにも悪影響です。自分のサイズにあった下着や服を選びましょう。

・SNS

寝落ちするまでSNSで情報交換をしたり、「いいね」が少ないことに不安を感じたり、SNSに依存していると目も脳も心も疲れてしまいます。またパソコン、スマホ、タブレットを使い過ぎると、姿勢も悪くなってバストにも良くありません。

・運動不足

電化製品の進化、インターネットでの買い物など、日常生活の運動が減っています。少し歩いたり、ストレッチをしたり、体を動かすように心掛けましょう。

・ストレス

仕事や人間関係の悩みを相談できる環境が少なくなり、心のバランスを崩す方が増えています。ゆっくりできる時間を確保し、趣味や運動など自分らしい生き方を楽しみましょう。

ザクロを食べれば、バストアップになるとは断言できません

かつて、ザクロは「女性ホルモンのエストロゲンが含まれている」といわれ、ザクロを使った商品が多数販売されました。なかには「バストアップによい」と宣伝された商品もあり、ザクロは人気を集めました。

その後、国民生活センターがザクロの果実や食品を調べました。すると「エストロゲンが検出できなかった」という結果が出たのです。

(参考:「エストロゲンは本当に含まれているの?ザクロを使った健康志向食品」http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20000406_2.html/ )

ほかにも女性ホルモンの一種「エストロン」という成分があるという説がありますが、科学的根拠が少なく、その効果はわかっていません。

つまりザクロがバストアップによいとは断言できないのです。

〔正しい情報を手に入れましょう〕

ザクロの色や実を見ていると生命力にあふれ、なんとなく女性の体に効きそうというイメージを与えます。しかし実際はメーカーが作り出した宣伝もあり、これさえあればという過信は危険です。

ほかにも「バストアップによい」といわれる商品はいろいろありますが、話題の商品に振り回されないように注意しましょう。正しい情報を手に入れたいときは、インターネットを使うと便利です。

その際、口コミなど個人の意見を参考にするのではなく、会社名や所在地などまで書いてある企業の情報を参考にしましょう。

〔参考サイト〕

・国民生活センター(http://www.kokusen.go.jp/)

消費者の保護を目的として設立された独立行政法人です。生活の安定や向上をはかるための調査や研究をおこない、情報提供をしています。

気になる食品や商品があるときは、最新の情報を手に入れるようにしましょう。

・食品成分データーベース(https://fooddb.mext.go.jp/)

文部科学省が公開しているサイトです。食品に含まれているカロリーや栄養を調べることができます。

ザクロには美容に役立つ抗酸化作用があります


バストアップになるとは断言できないザクロですが、ビタミンやカリウムなど、さまざまな栄養素が含まれているのは事実です。ザクロの特徴や成分を詳しく見ていきましょう。

〔ザクロの基礎情報〕

・歴史

種が多いザクロは、昔から子供に恵まれるといわれ「女性の果実」として知られています。日本では鑑賞用として植えている家もあります。

・産地

原産国はイランなど中近東地域といわれていますが、現在、日本で流通しているザクロの多くはアメリカ産です。しかしなかにはイラン産のザクロもあります。

・旬

アメリカ産の場合、旬は秋です。(9月~11月)

・選び方

鮮やかな赤い色で、皮にひび割れがなく、重みがあるザクロがおすすめです。

・食べ方

適当にナイフで切ると真っ赤な汁が出てしまうため、気を付けましょう。先端を手で割って水を入れたボールの中で、実をほぐします。

水で切ったあと、赤い果粒をそのまま食べます。

種をそのまま食べても大丈夫ですが、ミキサーにかけてザクロジュースにしてもよいです。味は甘酸っぱく、独特の香りと食感を楽しめます。

・保存方法

熟すまでは室温で保存し、熟したら冷蔵庫に入れます。

〔ザクロの成分〕 食品成分表(生/100グラムあたり)より

エネルギー  56カロリー
水分     83.9グラム
タンパク質  0.2グラム
脂質     微量
炭水化物  15.5グラム
ビタミンB1 0.01ミリグラム
ビタミンB2 0.01ミリグラム
ビタミンC   10ミリグラム
パントテン酸 0.32ミリグラム
カリウム    250ミリグラム

〔美容に役立つ抗酸化作用〕

「鉄がさびる」「ワインの味が変わる」「リンゴの切り口が変色する」という変化は酸素が起こす「酸化」によるものです。これが実際、同じような現象が私たちの体の中でも起きています。

私たちは、酸素を利用してエネルギーを作り出し生命を維持しています。しかしその酸素から老化や病気の原因にもなる「活性酸素」が生まれてしまうのです。

活性酸素は、細胞や組織にダメージを与え病気や老化を起こすやっかいものです。

「バストにハリや弾力がない」と悩む方の多くは年齢のせいだと思っているかもしれませんが、実は、歳を取ることよりも、この活性酸素の影響の方が大きいのです。

そんな活性酸素の対策として注目されているのが、ザクロの成分でもあるポリフェノールの一種、「エラグ酸」です。エラグ酸には強い抗酸化作用があり、美容や健康にも役立ちます。

ただし「ザクロだけを食べる」など単品だけを食べ続けても十分な抗酸化作用の効果が期待できません。

その理由は、さまざまな食品から得た抗酸化物質が細胞内で協力し合いながら活性酸素を抑えるからです。食品の成分を確認しながら、まんべんなく食べるようにしましょう。

〔抗酸化作用がある成分〕

活性酸素に対抗するためには、体の外から十分な栄養を摂るように心掛けましょう。

・ビタミンC(野菜や果物など)
・ビタミンE(魚・卵・アボカド・アーモンドなど)
・カロチン(野菜や果物など)
・ポリフェノール類(赤ワイン・緑茶・果物など)

(まとめ)ザクロはバストアップに有効なエストロゲンがありますか?

1. 「エストロゲンは検出できなかった」といわれています

かつて、ザクロは女性ホルモンのエストロゲンがあるといわれ、テレビや雑誌で話題になりました。

しかし国民生活センターの調べでは「ザクロの果実や食品からはエストロゲンが検出できなかった」と公表されています。

2. バストは女性ホルモンによって子宮や卵巣とつながっています

女性は、月に1回排卵し、妊娠できる環境を整えていますが、このようなリズムを作っているのが女性ホルモンです。女性ホルモンは、血液中を流れて全身をめぐり、妊娠・出産・授乳ができるように女性の体を守っています。

3. まずは、女性ホルモンのバランスを意識しましょう

女性ホルモンは生活習慣の影響を受けやすく、誰でもバランスが乱れやすい状況です。バランスを整えるために、日頃の食事や体のケアに気を配りましょう。

そして全身の流れをスムーズにしてバストアップにつなげましょう。

4. ザクロを食べれば、バストアップになるとは断言できません

ザクロは、エストロゲンのほかにも「エストロン」という成分があるという説があります。しかし科学的根拠が少なく、その効果がわかっていません。

話題の商品に振り回されないように、最新の情報を手に入れましょう。

5. ザクロには美容に役立つ抗酸化作用があります

ザクロには、強い抗酸化作用があるポリフェノールの一種「エラグ酸」が含まれています。そのため美容や健康に役立つのは事実です。

栄養バランスや食品の成分を考えながら他の食品と合わせて、ザクロを食べるようにしましょう。

著者情報

佐藤 由加里
プロフィール:バストアップ専門エステサロン「p-Grandi」チーフエステティシャン。アーユルヴェーダに基づいた浄化法マッサージ、医療脱毛・医療痩身・美肌・フェイシャルなどの知識、加圧トレーニングを用いた総合痩身エステの施術などを習得したバストアップの専門家。
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