正しい生活習慣やケアを継続して行うことが大切です


残念ながら、年齢を重ねると、どうしてもバストは下垂しやすくなります。でもあきらめてはいけません。

単純にいえば、乳房を作る脂肪が増えて乳腺が成長すれば、バストは大きくなります。そしてその乳腺の成長には女性ホルモンの分泌が欠かせません。

バストが自然に大きくなる時期は、主に思春期から成長期にかけてと妊娠・出産の時期です。個人差はありますが、その時期は女性ホルモンの分泌が活発になり、いわゆる更年期の頃には急激に減少していきます。

なので女性ホルモンの分泌を促すといわれる、バランスのよい食事と質のよい睡眠を取ることが、バストアップをキープする方法の一つです。

また妊娠するとバストはより大きくなります。その重さに耐えきれず、乳房を支えるクーパー靭帯が伸びきってしまうと元には戻りません。

すると産後にバストが下垂する原因になります。運動などによるバストの揺れも、クーパー靭帯は傷める原因になるので、適切なブラジャーの着用などによってクーパー靭帯を守ってください。

これらのケアは、すぐに効果が得られるものではありません。まずは普段の生活習慣を見直し、バストのケアを続けていきましょう。

出産前後にバストサイズは大きく変化します

乳房は脂肪と乳腺、そしてクーパー靭帯の3つで作られています。妊娠すると、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンの分泌量が増え、バストのサイズが変化します。

まずプロゲステロンが乳腺の先にある乳腺葉に働きかけ、組織を発達させ、妊娠2か月目から乳汁(母乳)を出す準備が始まります。それに伴い、その周りに脂肪もついていきます。

またエストロゲンは乳腺を増殖させる作用があるので、これらの女性ホルモンの働きによって、胸が大きくなるのです。平均的には妊娠5か月で1カップ以上、7か月目には2カップボリュームアップするといわれています。

それから脂肪組織や乳腺組織を支えているのが、網状になっているクーパー靭帯です。出産後2~3日でピークを迎え、バストの重さは、最大になった時点で通常の3~4倍にもなる為、クーパー靭帯にはかなりの負担がかかると考えられています。

しかし授乳期を終え、断乳するまでの約1年間でバストのサイズは小さくなって元のサイズに戻ります。

元に戻るだけならまだしも、大きくなったバストの重さでクーパー靭帯は伸びきってしまい、バストが小さくなっても緩んだままなので、バストは垂れてしまうというわけです。

また乳腺と脂肪が減少するので、バストがしぼんだり、しわが寄ったりする場合もあります。脂肪は太れば増えますが、バストの脂肪だけを増やすことは難しいので、魅力的なバストを保つ為はクーパー靭帯を伸びきらないように保護することが重要なのです。

バランス良く栄養を摂取しましょう


乳房を支えるクーパー靭帯の主成分・コラーゲンは、タンパク質の一種です。

筋肉・皮膚・血液など、体を作る主成分ともいえるタンパク質には、動物性と植物性があります。植物性タンパク質の代表といえば、大豆を挙げる人も多いでしょう。

そして豆腐や納豆などの大豆由来食品は、減少する女性ホルモンを補う為に摂取する食品としてよく知られています。それは、エストロゲンと分子構造が似ている「大豆イソフラボン」というポリフェノールの一種が含まれているからです。

また太りたくない女性はコレステロールを多く含む卵や肉、魚などの動物性タンパク質を避けてしまいがちです。しかしいくら女性ホルモンを補い、ヘルシーだからといって、大豆製品ばかり食べていてはいけません。

実は、コレステロールはエストロゲンやプロゲステロンなどの原料になるのです。

さらに副腎皮質ホルモンや胆汁酸などの原料にもなり、細胞の膜を形成し、ビタミン類などを代謝する役割もあります。

ただし血液中のコレステロールの量が増加すると、動脈硬化が起こり、さまざまな病気の原因となるので、摂り過ぎには気を付けなければなりません。

もちろん、大豆には良質なタンパク質の他にも、リノール酸・オレイン酸・ビタミン・ミネラル類・カルシウム・食物繊維などが豊富に含まれているので、大豆由来の食品は体の健康に役に立ちます。

女性ホルモンが正常に分泌される為には、体に必要な栄養素をバランス良く、適度な量を摂取することが必要です。一つの食材に偏るのはホルモンバランスを崩してしまう恐れがあるので注意しましょう。

女性ホルモンの分泌に睡眠不足は大敵です

睡眠は、生きる為に必要不可欠なものです。睡眠中は、脳を休養させるだけでなく、メンテナンスも行っています。

さらに記憶の整理や、学習の記憶の定着・保持・向上などもされているといわれています。

睡眠中はまた、成長ホルモン・プロラクチン・副腎皮質ホルモン・性腺刺激ホルモン・甲状腺刺激ホルモンなど、さまざまなホルモンが分泌されます。

たとえば成長ホルモンはその名の通り、体の成長を促すホルモンで、小児期には骨や筋肉の成長を促し、背を伸ばす作用があります。成長ホルモンの作用は、しかし子供の時だけではありません。

大人になっても、細胞の新陳代謝をサポートし、筋肉や骨など傷んだ細胞を修復するので、アンチエイジングにも役立ちます。

それから睡眠はバストアップに影響を与える女性ホルモンの分泌にも関係してきます。女性ホルモンの分泌を促したり抑制したりする命令は、脳の視床下部で出され、脳下垂体から卵巣に伝えられます。

視床下部は、女性ホルモン以外のホルモンの分泌にも関係しますが、一番大きな役割が自律機能の調節です。睡眠時間が不足したり、質の良くない睡眠を取ったりすると、視床下部の機能や自律神経が乱れ、その影響で女性ホルモンも正常に分泌されなくなることがあります。

そして女性ホルモンの分泌が乱れると、脳や自律神経の機能が低下するという負のスパイラルに陥るかもしれないのです。

このように睡眠不足は脳や体の健康を損なってしまうだけでなく、バストアップの視点からも避けるべき生活習慣だといえるでしょう。

バストの変化に合わせてブラジャーも変える必要があります


バストは初経の前後約4年間で成長・変化するといわれています。初経の1年以上前から乳頭周辺がふくらみ、初経前後には徐々にふくらみが横に広がります。

この時期にはバストが揺れて痛かったり、恥かしくて思いきり動けなかったりして、ブラジャーを着け始める子供たちが増えてきますが、バストの揺れを少なくし、伸びる素材で体の動きにフィットするブラジャーを選ぶようにしましょう。

そしてバストはどんどん硬くなり、立体的に丸くふくらみます。バストの柔らかさは、乳腺の発達の仕方によって変化しますが、初経から3年後ぐらいに硬さのピークを迎えます。

合わないブラジャーを着けていると、運動や日常の活動で発生するバストの揺れをしっかりと支えることができず、クーパー靭帯にダメージを与えてしまうので、成長に合わせてブラジャーも変えることが必要です。

見た目は大人のようなバストであっても、柔らかいバストを寄せて上げる大人用のブラジャーは向いていません。

この時期には、成長に合わせた緩やかなカーブの、柔らかな樹脂製のワイヤーで、大切な血管を締めつけ過ぎないジュニア用のブラジャーを着用し、バストを優しく守りましょう。その後にバストの脂肪組織がだんだん増えていき、柔らかくなっていきます。

大人用のブラジャーは、ジュニア用と違い、バストの形をしっかりとキープする為に、主に金属製のワイヤーが使用されています。

スポーツをする時には乳房の上下の揺れを最低限に抑えるスポーツブラ、眠る時には締めつけが少なく、寝ている方向に引っ張られるバストを支えるナイトブラ、妊娠・授乳期には大きくて重くなった乳房をしっかりと支え、乳腺を圧迫しないマタニティブラなど、さまざまな用途に合わせたブラジャーがあります。

クーパー靭帯を伸ばさないようにする為に、自分のバストの状態に合ったブラジャーを着用するようにしてください。

自分でできる簡単なエクササイズも行ってみましょう

バストを支える筋肉は大胸筋です。前胸部のもっとも広く大きい筋肉である大胸筋が弱くなると、バストが垂れやすくなります。

また日本人は欧米人に比べて体に厚みがなく、バストが横に広がりやすいので、大胸筋を鍛えて広がりを防止することで、バストの下垂予防の効果が期待できます。

大胸筋の簡単なエクササイズ

背筋を伸ばして、ひじを真横に開き、両方の手のひらを体の正面で合わせます。手のひらを強く押し合わせて、10秒ほどキープします。

このエクササイズを1日10セットほど行うとよいでしょう。

それから普段の姿勢も大切です。猫背の状態が続くということは、大胸筋が緩んでいる状態ということ。

そのままでは、大胸筋はどんどん弱くなってしまいます。

長時間デスクワークをしたり、スマートフォンを使ったりする人は、とくに注意してください。普段からよい姿勢を保つように意識し、時々大胸筋のストレッチを行うとよいでしょう。

大胸筋の簡単なストレッチ

① 壁に向かって、両腕を肩の高さに上げて、手のひらを壁に付けます。

② 足は肩幅より広めに開きます。

③ 顔を左側に向け、右ひじを曲げ、体の中心に向けて右肩を壁に近付け、15秒ほどキープします。

④ 反対側も同様に行います。

大胸筋が伸びていることを確認しながら、左右2セット行うとよいでしょう。

産後のエクササイズは注意が必要です。授乳の為に発達した胸腺は傷つきやすくなっているので、力を入れ過ぎないようにしてください。

また授乳期間中は通常よりも体力が消耗しやすくなっているといわれています。あまりムリをしない程度に行いましょう。

(まとめ)どうしたらバストアップした状態をキープできますか?

1. 正しい生活習慣やケアを継続して行うことが大切です

女性ホルモンの分泌を促す為にバランスのよい食事と質のよい睡眠を取り、大きくなったバストの重みや運動などによる揺れでクーパー靭帯を傷めないように、適切なブラジャーを着用するなどのケアを続けましょう。

2. 出産前後にバストサイズは大きく変化します

妊娠すると女性ホルモンの分泌量が増えて出産後2~3日まで胸が大きくなります。授乳期を終えると、乳腺と脂肪が減少するので小さくなりますが、胸の重さでクーパー靭帯が伸びきってしまうと垂れてしまいます。

3. バランス良く栄養を摂取しましょう

女性ホルモンを補うべく、ヘルシーなイメージの植物性タンパク質だけでなく、体に必要な栄養素をバランス良く、適度に摂取しましょう。一つの食材に偏るとホルモンバランスを崩してしまう恐れがあるので注意してください。

4. 女性ホルモンの分泌に睡眠不足は大敵です

睡眠不足になると、脳や体の健康を損なうだけではありません。視床下部の機能や自律神経が乱れ、その影響で女性ホルモンも正常に分泌されなくなり、さらに脳や自律神経の機能が低下する悪循環を招く恐れがあります。

5. バストの変化に合わせてブラジャーも変える必要があります

成長期に合わないブラジャーを着けていると、バストが揺れてクーパー靭帯を損傷させます。大人になっても、スポーツブラ・ナイトブラ・マタニティブラなど、自分のバストの状態に合ったブラジャーを着用してください。

6. 自分でできる簡単なエクササイズも行ってみましょう

バストを支える大胸筋を鍛えることで、下垂予防の効果が期待できます。普段からよい姿勢を保つよう意識し、簡単なエクササイズやストレッチを行うとよいでしょう。

産後は、あまりムリをしない程度に行いましょう。